障害年金では、障害の原因となる傷病が発生する前に、年金保険料を一定期間納付していること等を支給要件としているため、傷病の初診日を特定するために、初診日に関する証明書類を提出する必要があります。
 
通常は、障害の原因となった傷病について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた医療機関から受診状況等証明書または診断書を取得して提出します。
 
 
 
一方、初診日から時間が経過していたり、過去にさかのぼって障害年金を請求したりする場合には既にカルテが廃棄されているなど、初診時の医療機関の証明を得ることが難しい場合もあります。
 
そのため、障害年金を受給できないケースもあります。
 
このように、初診時の医療機関の証明を得ることが難しい場合に、証拠となる書類を提出して障害年金の初診日として認められるか審査を受けることが出来ます。
 
ただし、提出すれば必ず認められる訳ではありません。
 
 
 

対応方法の概要

 

■ 20歳以降に初診日がある場合
 ① 第三者証明2通と参考資料(※1)
 ② 初診日頃に受診した資料機関の医療従事者による第三者証明1通

■ 20歳前に初診日がある場合(※2)
 ① 2番目以降に受診した医療機関が作成した受診状況等証明書または診断書
 ② 第三者証明2通
 ③ 初診日頃または20歳前の時期に受診した資料機関の医療従事者による第三者証明1通

■ 上記の方法での対応が難しい場合
 ① 初診日が存在する期間を証明する参考資料を用意する方法
 ② 初診日の記載された請求の5年以上前に医療機関が作成したカルテ等を用意する方法

 

 

 (※1)参考資料の例
 
申し立てた初診日について客観性が認められる資料
 
・診察券
 
・入院記録
 
・医療機関や薬局の領収書
 
・生命保険・損害保険・労災保険の給付申請時の診断書
 
・障害者手帳の申請時の診断書
 
・交通事故証明書
 
・インフォームド・コンセントによる医療情報サマリー
 
・事業所等の健康診断の記録
 
・健康保険の給付記録(レセプトを含む) など
 
 
 
(※2)20歳前に初診日があって、その初診日が厚生年金加入期間であった場合は、障害厚生年金の支対象となるため「20歳以降に初診日がある場合」に該当します。
 
 
 

初診日を証明する医証を取得できない時の救済措置

障害年金の申請は、初診日に関する医証(診断書または受診状況等証明書)を提出して、初診日の確定をする必要があります。
 
それは、初診日時点で加入していた年金制度によって、申請する障害年金の種類(国民年金、厚生年金保険、共済組合)が異なること、また初診日時点での年金保険料の納付要件を満たしている必要があるためです。
 
 
初診の医療機関と現在の医療機関が異なる場合、初診がかなり昔の場合は既にカルテが廃棄されており、受診状況等証明書を作成してもらえないことが少なくありません。
 
 
そうなると、結果として障害年金を受給できないことになります。
 
そのため、医証以外の書類で初診日であろう時期を特定し、その時期に加入していた年金制度や保険料の納付状況を確認することで、初診日を認める言わば救済措置となっています。
 
 
 
詳しくは、下記をご参照ください。
 
▼障害年金の初診日証明書類のご案内(日本年金機構HP 2021年3月29日)