人工骨頭挿入術の請求事例


【病  名】 大腿骨頭壊死症、人工骨頭挿入
【審査結果】 障害厚生年金3級(障害認定日まで遡及)
【Key Word】 人工骨頭挿入、障害認定日が手術前、初診日から6年経過時に請求

 


休日に高い所から転落した。搬送先の病院で大腿骨頭頚部のボルト固定の手術を受けた。

リハビリを行い、歩行も出来るようになったが、着替えなどの日常生活には支障が残った。

初診日から1年6カ月経過したころ、痛みがひどくなった。ボルトが大腿骨頭から突き抜けた状態となっており、大腿骨頭壊死症と診断された。翌月、人工骨頭の手術を受けた。

その後も、痛みや歩行困難などの支障は残った。初診日から6年ぐらい経過した時に、障害年金制度を知り、当事務所へ依頼となった。

障害認定日まで遡っての請求を行い、認定日時点から障害厚生年金3級が認められた。

 

 

【岡田の考察】

人工骨頭挿入術や人工関節置換術を受けた場合は、3級に該当します。初診日時点で加入していた年金制度が厚生年金や共済年金であれば、3級の受給が可能となってきます。

ですが、初診日が国民年金加入中、または、厚生年金や共済年金に加入している配偶者の扶養(国民年金3号被保険者)の場合は、2級以上が必要なため、注意が必要です。

さて、人工骨頭挿入術や人工関節置換術を受けた場合の障害認定日は、特例があります。
初診日から1年6カ月以前に手術を受けた場合の障害の程度を認定する時期は、人工骨頭又は人工関節をそう入置換した日となります。

この事例では、初診日から1年6カ月経過した時点で、大腿骨頭壊死症と診断され、翌月に手術を受けています。

年金事務所の窓口では「初診日から1年6カ月時点で人工骨頭挿入術を受けていないので、障害認定日請求は無理です。」と言われました。

しかし、1年6か月時点で人工骨頭挿入術の手術が必要な状態に至っており、1年7カ月時点で手術を受けていたため、障害認定日請求は十分可能であると判断しました。必要な書類を揃えて、障害認定日まで遡って請求し、無事3級と認定されました。

請求が困難なと言われても、可能性がないかを探っていく必要性を認識させられた事例でした。